2008年4月〜2009年3月
「演技者は、自分の演技の具体的基盤をつくりだすための基礎を、どこに見出すべきか。」
演劇人類学に基づくこのワークショップでは、演技者が自分自身のドラマトゥルギーを
獲得するプロセスを経ながら、この問いに対する答えを見出していきます。
期間: 2008年4月~2009年3月
毎週火曜、木曜(月8回)、うち6・8・9月は集中コースⅠ~Ⅲ
時間: 18:30~21:30
会場: 参宮橋レインボースタジオ(小田急線参宮橋駅下車徒歩3分)、新宿近辺
費用: 25,000円/月(集中コースのみ受講希望の方の受講料は別となります。)
定員: 一年間コース 15名
指導責任: アベル・ソラレス
ワークショップの目的
このワークショップでは、日本に在住しながら主に海外で活動をしているkunst ohne grenzenのアベル・ソラレス氏を中心に、各国から独自のメソッドを持つ演劇人類学をベースとする講師を招き、「俳優が自分自身のドラマトゥルギーをいかにして創るか」ということを学ぶことを目的とする。
主に経済的な意味でのグローバリゼーションがテーマになる中、演劇の世界でも俳優たちは今、多様な文化との出会い、または多様な文化の統合を通してお互いを理解しようと試みている。そのような状況の中にあって、残念ながら日本の俳優たちが世界からの孤立を深めているのが現状といえる。表面的な理解や、表面的なコミュニケーションに留まる事なく、お互いがもっと深いところで理解し合うということこそ、今の私たちに求められていることではないだろうか。このような考えを基に、様々な文化的背景を持つ演劇人類学の指導者を招き、そのワークショップを通して、受講者が「自分自身のドラマトゥルギー」を獲得し、そのことによって、彼らが日本のみに留まることなく、広く世界で活躍することのできる俳優になることを目的とする。同時に、かつて日本の伝統文化から多くの影響を受けて発展していったヨーロッパの演劇理論が再び日本にその発展した形を提示し、今度はそれを私たちがどのように発展させていくかということにも、大きな意味を感じる。
年間スケジュール
2008年4月・5月 ワークショップ | 週2回(火、木)18:30 - 21:30 | 講師 アベル・ソラレス
2008年6月 集中コースⅠ 全11回 | 講師 アベル・ソラレス
2008年7月 ワークショップ | 週2回(火、木)18:30 - 21:30 | 講師 アベル・ソラレス
2008年8月 集中コースⅡ 全7回 | 講師選定中(ISTAもしくはcommittee of formation theater ITI UNESCO から招く予定)
2008年9月 集中コースⅢ 全7回 | 講師選定中(同上)
2008年10月 - 2009年3月 ワークショップ | 週2回(火、木)18:30 - 21:30 | 講師 アベル・ソラレス
※ 尚、集中コース以外にも必要に応じて講師を招く可能性もあります
このワークショップはパフォーマンスを創ることを目的とはしませんが、場合によってはパフォーマンスをつくる可能性もあります。また、ラボラトリー的性格も持ち合わせますので基本的に、一年を通じての参加者を募集します。
参加期間についてのご相談、またはプログラム詳細につきましては k-kunst までお問い合わせください。
アベル・ソラレス氏 略歴
1954年グアテマラに生まれる。俳優、演出家、演劇講師、語り部。サン・カルロス芸術大学とメキシコ芸術大学にて演劇を学んだ後、グロトフスキー、オージェニオ・バルバ等のもとで研鑽を積む。オーストリア、フランスなどで劇団を設立。ヨーロッパ、南アメリカ、アフリカ等の多くの国で公演を行う傍ら、演劇祭における審査員や講師、又、各国の大学や国立劇場において「ボディーランゲージとジェスチャー」「演劇とストリートシアターのためのサマースクール」「俳優の身体と文化的アイデンティティー」「俳優の顔と仮面」等のセミナーを開講。各国の劇団から招きを受けて演技指導及び演出にあたる。クンスト・オーネ・グレンツェンの講師として活動。日本において、故、観世栄夫主催の「栄夫ゼミ」にて能を学ぶ。Committee of Formation Theater ITI UNESCO のメンバー。
Kunst ohne Grenzen (クンスト・オーネ・グレンツェン)
Committee of Formation Theater ITI ユネスコ の一組織として活動。各国の文化の交流を通し、お互いの理解を深めることを目的として、アベル・ソラレス氏によって設立された。世界各国に広がる多くのネットワークを通じ、俳優同士の情報交換やコンタクト、また、演劇など国境を越えた芸術活動をオーガナイズする。http://mitglied.lycos.de/kunst_o_grenzen/index.html
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